持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)への JNTO の関わり
観光消費が伝統産業の維持や雇用の創出に繋がり、それがさらに観光コンテンツとしての魅力を高めるという好循環が生まれつつある一方で、観光客の急増に伴うオーバーツーリズムへの対応も大切な課題となっているが、JNTOは観光庁等と連携しながら、客観的かつ建設的なアプローチを行っている。
まず前提として重要なのは、「オーバーツーリズムと呼ばれる現象は、日本全国のあらゆる場所で一様に発生しているわけではない」という事実を正確に伝えることである。特定の時期、特定の場所に観光客が集中し、それに十分対処できないことが課題の本質であり、これを適切に分散・管理することが求められる。JNTO は、旅行者と地域住民の両方にとって最適な環境を共創することが最も重要であるという考え方を基本方針としている。
具体的には、旅行者に対して現地のルールやマナーを事前に啓発する活動を強化するとともに、混雑期を避けた旅行、生活者のように旅を楽しむスタイルの提案(「スマートトラベル」)、まだ知られていない魅力的な地方への分散等の推奨を行っている。地域社会の生活環境を守りつつ、旅行者にも質の高い体験を提供することが狙いだ。日本政府は、2026年4月から始まる「観光立国推進基本計画(第5次)」4において、重点施策の一つに「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」(地方誘客の推進を通じたオーバーツーリズム対策の強化等)を掲げた。これは、単なる観光客の「来訪」を超え、地域社会と旅行者が共に豊かになる持続可能なインバウンドの姿が示されたことを意味する。日本の地方が持つ無限の可能性を、シンガポールという最高のパートナーとともに、これからも未来へと紡いでいきたい。