2025年8月号(No.657)バックナンバー
着任のご挨拶(TORAY INTERNATIONAL SINGAPORE PTE LTD)
シンガポール日本商工会議所の皆様、東レインターナショナル・シンガポール社の廣瀬と申します。2025年7月より馬場の後任として着任し、理事を務めさせていただくこととなりました。何卒よろしくお願い申し上げます。
当社は、東南アジアに展開する東レの製造拠点への物流機能を活かし、各種原料の調達を行っております。繊維・テキスタイル・炭素繊維・フィルム・樹脂・ケミカル・電子情報材料・水処理・医薬医療機器など、東レの主力製品をはじめ、浄水器「トレビーノ」や眼鏡拭き「トレシー」など、皆様にご愛顧いただいている製品も幅広く取り扱っております。近年では、購買物流機能を活かし、東レ以外の製品を世界各地に供給する事業も成長しております。当社従業員のもつ華僑ネットワークの広さと深さには、日々驚かされております。
私の経歴について簡単にご紹介させていただきます。1991年に東レへ入社し、7年間にわたり国内で樹脂の営業を担当しました。当時は社内にパソコンが配布され始め、eメールが導入されるなど、働き方が大きく変化した時期でした。
1998年には北米での樹脂事業拡大を目指し、米国サンフランシスコに赴任。その後、日系企業が多く進出していたメキシコ国境近くのティファナでの営業に本腰を入れるため、サンディエゴに事務所を開設し、翌年異動しました。30歳になったばかりで、周囲の支えを受けながら一人で事務所を立ち上げた経験は、今でも記憶に深く残っています。
2001年には米国で三男が誕生し、仕事も順調でしたが、同年9月11日の同時多発テロにより、空港での検査が大変厳しくなり、国境の往来も制限され、国全体が大きく変化したことを実感しました。インディアナ州の工場買収に伴い自動車用途での事業拡大を加速させるため、2002年1月にミシガン州デトロイト郊外へ異動しました。常春のサンディエゴから寒冷地への引っ越しは厳しく、ご近所から退職を勧められるほどでしたが、勤勉な同僚に恵まれ、素晴らしい思い出もできました。
2007年に大阪へ帰任し物流を担当、2009年には東京へ異動し原料購買を担当しました。購買・物流は全社的な業務であり、東レの多様な製品を学ぶ機会となり、社内人脈を広げることができました。ローテーションの重要性を改めて実感した次第です。
2021年からは東レの物流子会社である東洋運輸の社長を務めました。本社は東レ創業の地・滋賀県大津市にあり、大阪勤務時に購入した自宅から通勤できたことで、11年に及ぶ単身赴任生活を終え、充実した日々を過ごすことができました。
今回の赴任は、18年ぶりの海外勤務となります。英語力の衰えに不安を感じつつも、大阪・関西万博に7回足を運び、北海道のエスコンフィールドで阪神タイガースを応援するなど、日本に思い残すことのないよう準備を整えてまいりました。
商工会議所では、第二工業部会の部会長を務めさせていただきます。前任の馬場が皆様と共に進めてこられた「強く、誇り高く、日本をアピールする!」という意思を引き継ぎ、私も会員の皆様と力を合わせて、当地域における日本企業の発展に貢献するとともに、シンガポール社会への貢献を通じて、現地の皆様との絆をさらに深めてまいりたいと考えております。
末筆ながら、会員企業の皆様、事務局の皆様、そしてご家族の皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。