2025年6月号(No.655)バックナンバー

HOME月報概要着任のご挨拶

着任のご挨拶

シンガポール日本商工会議所 理事
MOL (ASIA OCEANIA) PTE LTD
Managing Director

熊 桜

シンガポール日本商工会議所の皆様、商船三井の熊 桜(くま さくら)と申します。本年4月にシンガポールに着任し、JCCI理事に就任致しました。微力ながら少しでも皆様のお役に立てるよう精一杯努めて参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

MOL(ASIA OCEANIA)は、東南アジアおよびオセアニア地域を管轄し、シンガポールにその統括機能を置いております。海運関連事業のみならず、物流、不動産、スタートアップへの投資など、非海運関連事業も幅広く展開しております。さらに、皆様のご赴任・帰任の際にご利用いただける海外引越サービスもMOL Logistics社にてご提供させていただいております。私自身、赴任以来、皆様方には様々な場面でお世話になっております。

私は海運業界に魅了されて、あれこれ25年間が瞬く間に経過し、今なおその魅力に惹かれ続けています。私のキャリアは日本郵船から始まり、デンマークの海運会社マースクを経て、昨年10月に商船三井に入社いたしました。これまでは、コンテナ事業を始め、海外・国内港湾の投資・開発及び運営、重量物の海運物流関連事業、そして人事まで、様々な貴重な経験をさせていただきました。気が付けば、皆さんから「異色」といわれるほどの経歴を持つようになりました。

海外駐在はロサンゼルスに続き、シンガポールは二か国目ですが、幸運なことに、様々な国や地域に出張ベースで訪れ、それぞれ異なる歴史、政治、文化や習慣を学びながら、多様性溢れる様々な方々と連携して仕事をする大切さを学ばせていただきました。

シンガポール駐在は初めてですが、この国の特有のホスピタリティーと多様性に早速暖かく受け入れていただきました。まだ二か月しか経っておりませんが、既にここの住民であることに全く違和感がなくなっています。異なるバックグラウンドを持つ人々が集まり、創造的なアイデアや新しい視点をもたらすことで、シンガポールは国際的なビジネスハブとしての地位を確立しています。シンガポールの多様性は、これまでの経済的な成功に寄与してきました。そして、これからの複雑さが増している地政学的な不確実性に対しても、レジリエンスを発揮することでしょう。

港湾立国の政策を建国以来掲げているシンガポールは、世界の海運事業にとって重鎮的存在です。シンガポールの海運事業は国のGDPの約7%を占め、年間約13万隻の船舶が寄港し、2024年には記録的な41.12百万TEUを取り扱いました。さらに、シンガポール海事港湾庁(MPA)は、DXとサイバーセキュリティーを始めとする技術革新への投資に余念がなく、海運業界においてスタートアップへの支援も率先して行っています。200以上の船舶会社がこの小さな島国に集結し、シンガポールの海運エコシステムを構成していること自体は奇跡のようなものとも言えます。このように、シンガポールの海運業界はその戦略的な位置、先進的なインフラ、そして政府の支援によって、世界の海運業界において優位性を持っています。

このような恵まれた環境で、当社の東南アジアおよびオセアニア地域の戦略並びに実行に携われることに至上の喜びを感じています。

商工会議所の活動では、貿易・運輸部会にも携わらせていただくことになります。日本とシンガポール・アジア諸国との経済や文化交流の促進、また当地域における日本企業の発展に、皆様方とともに少しでも貢献していきたいと思っておりますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

最後になりますが、会員企業の皆様、事務局の皆様、ならびにご家族の皆様の益々のご健勝を祈念してご挨拶とさせていただきます。

シンガポール日本商工会議所

6 Shenton Way #17-11 OUE Downtown 2 Singapore 068809
Tel : (65) 6221-0541 Email : info@jcci.org.sg

page top
入会案内 会員ログイン